世界がときめくインディー・シーンの大良心、我等がSUPERCHUNKの来日が決定致しました!そんでもって今年はSUPERCHUNK結成20周年、更に彼等が運営するレーベルMERGE RECORDSも設立20周年!そんな記念すべき2009年に来日してくれるなんてもう素敵過ぎ〜!!最高の年の瀬、クリスマス・プレゼントをぜひぜひ体験してください。
さて、そんな彼等の来日を記念して、フロントマンのMac McCaughanにインタビューを敢行。来日直前ギリギリまで生の声を連載して参ります。
こちらその第二回目。90年代後半〜活動休止〜そして現在までのSUPERCHUNKについて聞いてみました。

 

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●それでは第二回目のインタビューを開始します!6作目のアルバム『INDOOR LIVING』(97年)から。今作ではピアノやオルガンなども取り入れて、以前の作品とはちょっと趣が変わりましたよね?ほんのりソフトでフォーキーな感じもあったり…。
確かにそうかもしれないけど、ロックに溢れた歪んだアルバムだとも思うんだ。それに5作目の『HERE’S WHERE THE ATRINGS COME IN』でもオルガンとかメロトロンとか取り入れ始めていたしね。例えば三曲目の「Marquee」はスローなんだけど、ノイジーでフリークアウトなナンバーだよ。この作品の中では最後の曲「Martinis on the Roof」でマリンバを取り入れているんだけど、それが今作での一番の新しい試みかな。地元の学校に行って借りて来たんだけど、一番最後にレコーディングしたパートなんだ。ソフト…って感じだったら8作目の『HERE’S TO SHUTTING UP』の方がしっくり来るかなぁ。
 
 
●私はこの『INDOOR LIVING』と、あなたのソロ・ワークであるPORTASTATICに近い雰囲気を感じたんです。それぞれの活動から影響があったりしましたか?
影響の部分では分からないな。ただPORTASTATICではキーボードだったりホーンだったり、様々なパートのフレーズをしっかりと考えるんだ。何回もやり直したりしてね。SUPERCHUNKよりPORTASTATICの方が実験的なんだよ。
 
 
●『INDOOR LIVING』がリリースされた時、私はレコード屋だったのですが物凄くこのアルバムは売れたんです。新しいファンも確実に増えていたし。
僕にとっても『INDOOR LIVING』はこれまでの中でも大好きな作品だよ。へヴィーな面と新しい面がマッチした感じだったからね。最近僕達はSUPERCHUNKの中でのいわゆる「ポピュラー・ソング」を演奏するようにしてるんだ。例えば『INDOOR LIVING』だったら「Watery Hands」をね。しばらく演ってなかったから忘れてたけど(笑)。
 
 
●そしてその後が『COME PICK ME UP』(99年)ですね。これはSUPERCHUNKとMERGE RECORDSの10周年にあたる記念作なのですが、何かプランとかありましたか?
10周年とか記念とかは全く考えてなかったよ。ただJim O'Rourke(今作のプロデューサー)と一緒に出来るって事だけで最高だった。でね、今作のプランとしては「新しいアングルから見たポップ・レコード…それもSUPERCHUNKのサウンドのままで!」っていうのがあったんだ。そこでNEW ORDERとかDavid Bowieなどのレコードを聴いて考えたりもして。ただ同時にストリングスを入れたいっていうのが最初からあった。だから何人かの人からはこのアルバムを「ライト過ぎる」なんて言われたりもしたんだけど、ただ僕はこのアルバムに入っている曲が大好きだよ。特に「Hello Hawk」はSUPERCHUNKの中でも最高のシングルだと思うんだ。
 
 
●Steve Albiniのエレクトリカル・オーディオ・スタジオで制作していますが、なぜAlbiniではなくJim O'Rourkeを選んだのですか?
僕はJimが手掛けたSTEREOLABの作品とか彼のソロ・ワークスが本当に好きでね。サウンドはクールだしアレンジも最高だからね。で、当時Jimはシカゴに住んでて、Albiniとはセカンド『NO POCKY FOR KITTY』で前にやったんだけど、エレクトリカル・オーディオ・スタジオは初めてだったから、これはグッド・タイミングだと!Jimとエレクトリカル・オーディオ、そして夜はAlbiniと飲む!楽しかったよ。
 
 
●今作ではJeb Bishop、Ken Vandermarkなどがゲスト参加してますね。
JebはノースキャロライナでANGELS OF EPISTEMOLOGYっていうバンドをやっていて、初期のMERGEからリリースもしてたよ。その後彼はシカゴに移って、有名な即興演奏家になった。あとKen VandermarkはJimと知り合いだったし、もちろん僕もジャズ奏者として知っていたから参加してもらったんだ。「Pink Clouds」の最後の方のJebとKenによるソロ・パートは本当に素晴らしい。元々はサウンドチェック用に演奏してもらったんだけど、あまりに素晴らしいのでそのまま使わせてもらったんだ。
 
 
●そして現在のところの最新アルバムである(…とは言っても8年前!)『HERE’S TO SHUTTING UP』(01年)ですが、この作品では『FOOLISH』でもエンジニアを務めていたBrian Paulsonを再起用していますが、これはなぜですか?
彼との出会いから話すと、93年にUNRESTとツアーをしたんだけど、その時に彼等からBrianを薦められてね。「絶対彼と仕事をするべきだ!」ってね。ちょうどUNRESTは彼等のクラシック・アイテムとなるべき素晴らしいアルバム『PERFECT TEETH』をBrianと作り終えていたから「じゃあ!UNRESTの言う通りにしよう!」ってね(笑)。それでミネソタにあるペーシーダーム・スタジオに行ってBrianと『FOOLISH』を作ったんだ。彼はUNRESTの他にSLINTの『SPIDERLAND』とかUNCLE TUPELOとか、とにかく素晴らしい作品を手掛けていたのは知っていたから、もうちょと長くレコーディングしたかったんだけど、ちょっと時間が足りなかったかな。その後彼はノース・キャロライナに移って、今度は僕のPORTASTATICの作品を手掛けてくれた。そんな繋がりもあってSUPERCHUNKもまた彼と一緒にすることになった。それが『HERE’S TO SHUTTING UP』だよ。一緒にアトランタのスタジオまで行って制作したんだよ。
 
 
●『HERE’S TO SHUTTING UP』は「これぞ正しくSUPERCHUNK!」ってなパーフェクトな作品だと思うんです。グッド・メロディー、エモーショナル、ちょっぴり寂しくてせつなくて。でもってロック!!ってな感じで。
うん、ありがとう。やはり当時僕達はどうしたらもっとバンドが成長するかトライしていた時期なんだ。それはうまく行ったり、行かなかったり、色々あったけど、このアルバムが完成した時は嬉しかったなあ。何日も何日も深夜までスタジオに籠って…それは本当に不健康なことなんだけど…、でもそれでクールなサウンドになったし、様々なタイプの曲が出来た。そしてこの時期僕はコードワークをアレンジし始めたんだけど、いろんな人からこのアルバムの事を「あまり好きじゃない」って声を聞いたんだ。でもそれは彼等がこの作品のロックな部分に気付いてなかったからだと思うんだ。まあ、あまりにも陰口が多かったら、僕はもっと違った感じで歌ってただろうけど(笑)。それとこの作品ではJAPANCAKESのJohnが「Phone Sex」にスチール・ギターで参加してるんだ。それが僕は大好きだよ。
 
 
●そしてこの時期にSUPERCHUNKは久々の来日を果たしましたね。思い出とかあります?
良く覚えているよ。9.11の後だったしね。日本→ヨーロッパの順でツアーしたんだけど、たくさんの人が来てくれたて驚いたよ。ただあんまり覚えて無いのも確かで、だってツアーの楽しい思い出と言ったら何たってショーをすることだからね!日本での素晴らしい時間を持ってヨーロッパに行って演奏してアメリカに帰る。これこそツアーの醍醐味!特に大阪のショーはベストだったと思うよ。みんな楽しんでくれてたしね。あれから8年だなんて信じられないよ!
 
 
●そしてこの後SUPERCHUNKは活動を休止します。なぜだったのでしょうか?また、解散とかは考えませんでしたか?
『HERE’S TO SHUTTING UP』ツアーが全部終わったら休もうと思ってたんだ。結構レコーディングもツアーも過密な状況が続いていたから。その後コンピレーション・アルバムの『CUP OF SAND』(03年)を出したから小さなツアーはやったんだけどね。で、休みを取る事にはしたんだけど、絶対に解散はしないって決めてた。だって解散した後に大体みんな「再結成ツアー」とかするでしょ。それだけはしたくなかったからね。ただJonとLauraは解散してもいいかな…って感じだった。僕とJimはそれに反対で。「じゃあ、解散しない代わりにお休みしよう」って事になったんだ。
 
 
●そのお休み中はあなたにとってどんな期間でしたか?
PORTASTATICの活動に打ち込んでたよ。PORTASTATICはSUPERCHUNKみたいなロック・バンドに変化して来て、『THE SUMMER OF THE SHARK』、『BRIGHT IDEAS』、『WHO LOVES THE SUN』のサウンドトラック、それに『BE STILL PLEASE』とか色々作品を作ったよ。相変わらず忙しくてね、だって昔では絶対に考えられなかったPORTASTATICのツアーもしたんだから!SUPERCHUNKのJimがベースを弾いて、僕の弟のMatthewがドラマーだったんだ。彼は今BONIVERのメンバーなんだよ。
 
 
●そしてSUPERCHUNKがいよいよ動き出します!
イエス!なんだかんだ言って何回かショーはしてたしね。そしてそれは本当に楽しかった。そこでやはり新しい曲をレコーディングしたくなったんだ。でもみんな私生活やら他の事で忙しい…でもレコーディングはしたい…、そこで二週間だけ時間を作ってレコーディングを始めた。『INDOOR LIVING』のプロデューサーだったJohn PlymaleとMOUNTAIN GOATSなんかを手掛けているScott Solterを誘ってオーヴァーダブ・レーンという地元のスタジオに入ったんだよ。
 
 
●そして今年発表されたシングル『LEAVES IN THE GUTTER』、そしてその後の『CROSSED WIRES』、どちらも最高でしたね!
Scottのおかげだと思うよ。本当に僕も素晴らしいものが出来たと思ってる。ただもっと頻繁にレコーディング出来たらいいなとは思うけど……もちろんそのつもりではいるよ!
 
 
●休養期間中、「ファンが減っちゃうんじゃないか?」とか「メディアから無視されちゃうんじゃないか?」とか心配してませんでしたか?
たくさんの人たちが僕達を待っていてくれないのでは…とは思ってた。でも新しい音源を出したらみんなエキサイトしてくれて。僕等は彼等の為、そしてもちろん僕等の為に音楽を演っているからね。メディアに関しては彼等がシーンをコントロールする訳じゃないからね。僕等はただ黙って見てるだけさ。
 
 
●久々にSUPERCHUNKとしての活動をメンバーと一緒に再開してみていかがですか?
とっても気楽で楽しいよ!なんか色々考え過ぎたりしなくてもプレイ出来るんだから。何曲かは思い出さなきゃならなかったから練習したんだけど、後のほとんどはすぐ目が覚めた感じでプレイ出来たんだ。最高だよ。
 
 
●さてそれではやっぱり期待しちゃうのが次のアルバムなのですが。
来年の秋には出したいと思っている。その前にシングルも考えているよ。
 
 
●最後にSUPERCHUNKとしての夢を教えて下さい。
時々レコードを出す。良い曲を作る。日本やあらゆる場所でショーをする!!
 
 
 
“Watery Hands” (1997)
 
“Art Class” (2001)
 
 
SUPERCHUNK
1989年にアメリカ合衆国ノースカロライナ州チャペルヒルで結成。メンバーはMac McCaughan (guitar/vocals)、Jim Wilbur (guitar)、Jon Wurster (drums)、Laura Ballance (bass)の4人編成。躍動感溢れるパンキッシュなサウンドとポジティヴかつエモーショナルなメロディーで、新旧問わず様々なアーティストに多大な影響を与え続けており、正にインディペンデント・シーンの「優しいゴッド」な存在である。また、Macはソロ・プロジェクトのPORTASTATIC、Jonはルーツ系オルタナ・バンドのTHE MOUNTAIN GOATSでも活動している。

http://www.superchunk.com/
http://www.myspace.com/superchunkmusic
 
  SUPERCHUNK /
Leaves in the Gutter

最強の大復活シングル!涙チョチョ切れ〜!更に日本盤はライヴを収めた二枚組仕様!予習にぜひぜひ!
   
 
 
MERGE RECORDS
1989年にSUPERCHUNKのMacとLauraによって設立。きっかけは「自分達のバンド(SUPERCHUNK)の作品を出す為」とありがちなパターン。しかしその後、周辺のバンドのリリースからネットワークはどんどん広がり、現在はアメリカのみならず各国のバンドも抱える総合インディー・レーベルへと成長。最近ではARCADE FIRE、そしてSPOONがビルボード・チャートのトップ10にランクインするなど、セールス的にも大きな成功を収めている。しかしそのスタイルは本当にピュアでのんびりマイペース。SUPERCHUNK同様の等身大のこの姿がシーンから大きく支持されている一番の理由である。

http://www.mergerecords.com/
http://www.myspace.com/mergerecords
 
 
INDOOR LIVING
COME PICK ME UP
HERE’S TO SHUTTING UP
CUP OF SAND
LEAVES IN THE GUTTER EP
CROSSED WIRES EP
 
     
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